「ID:INVADED」


今期のアニメは個人的にはイマイチなのですが、「ID:INVADED」はなかなか良くできています。ただし、ある程度この手の話に慣れていないと、何の事かさっぱり分からないでしょうけど。

基本的には「世界は人間が観測しているために、そのように見えている」という人間原理を理解しておく必要があります。

人間原理でいけば、例えば私と貴方の見えている世界が一致しているかどうかはわかりません。何しろ私たちは、他人が世界をどの様に見ているのかはわかりませんので。ただ、少なくとも、今自分に見えている世界は、自分がそのように見ているから、そのように見えている、という、哲学的な話になります。

「いやいや、誰が見ても同じじゃないの?」

と思うかも知れませんが、残念ながら人は全員異なります。同じ日本人であっても、全く異なります。だから、貴方の言ったことが、他の人に伝わっているとは思わない方が良いです。

例えば、私は大学で教えるときに、生徒に向かって

「『雪』という言葉を聞いて、思いついた言葉を3つ書きなさい」

という課題を第1回目に出します。書き終わった後に10人ほどを当てて、その3つを発表してもらいましたが、思いついた言葉3つは、誰一人として一致しませんでした。もちろん、3つのうち1つくらいは何人かで一致するのですが、3つ全部が一致することはありませんでした。

同じ日本人で、ほぼ同年代(しかもほとんど近畿出身者)であるにもかかわらず、一致しないのです。これは、生まれ育った環境が全員異なるからです。これまでの経験が異なる以上、一致するはずがないのです。「雪」という言葉に対するイメージですらそうなのですから、複雑な内容になればなるほど受け取り方は変わります。だから、しっかりと言葉を使い、細かく説明しない限り相手には伝わらないということを学んでもらうのです。つまり「空気なんか読めない」し「あうんの呼吸」など幻想であるということを認識してもらいます。

さて、 「ID:INVADED」 の話に戻ると、もしある人物が、他人を自分が持つイメージの世界に取り込むことができるとしたら?という仮定というか設定を下敷きにしています。ですので、他人の意識の中に入り込んだり、現実が他者のイメージに塗り替えられてしまうということが発生します。

内容については書きませんので、興味があれば観てもらえば良いかと。Amazon Primeで全話観ることが出来ます。ちなみにSF作家の神林長平氏の作品を読み慣れている人であれば、それなりに楽しめるのではないでしょうか。

今月の歩数:173,945歩
今日の体重:73.2kg