私だって・・・


PART1

 俺は宇宙の飛ばし屋。スピードこそが命。
何人たりとも俺の前を行く事は許されない。
何人たりとも俺が後ろに引き下がる事はない。
アイ アム ア チャンピオン!
見よ!俺のテクニック。俺のスピード。俺のパワー!全てが超一流、宇宙で最高!
ある日、前方の遥か遠くに俺は”ライバル”を見つけた。そいつもなかなかの飛ばし屋だった。何しろこの俺がどれだけ飛ばしても、なかなか距離が縮まった様には見えないのだ。それでも宇宙一の飛ばし屋を自称している俺としては、そんな事は許せない。更にスピードを上げ、そいつに何とか追いつこうとした。
そしてその甲斐あって、かなりの時間がかかったが、そいつに追いつく事が出来た。が、そこは既に急カーブに差し掛かっていた。俺はそいつを抜かす事は叶ったが、結局は曲がり切れず、ガードレールにぶち当たる羽目になってしまった。

PART2

 HEY BABY!俺に惚れちゃ駄目だぜ。何ちゃってね、お前に惚れてるのは本当は俺の方なんだ。でもよぉ、俺だけじゃねぇってお前は知ってるんだよな。お前の周りにゃ俺と同じ目的の奴が二〇人近くもいるんだから。頼むよ、一度でいいからこっちを向いておくれ。そん時ゃ俺は天にも昇る気分だぜ。な、一遍だけでいいんだ。
え?何だって、本当に俺なんかでいいのかい?そんなぁ、照れちまうぜ。はっはっは、そんなに強く引っ張るなよ、壊れちまうよ。お、おい、本当にそんなに強く引っ張るなって、痛いじゃねぇか。痛い痛い痛い、ほ、本当に腕が千切れそうだ。おいおい、だからって足ならいいわけじゃないんだぜ。いてっ、イテッ!痛い痛いッ!や、やめてくれ~ッ!

PART3

 「いやぁ~、今年の天文学はイベントが多いですねぇ、教授。」
「うむ、確かにな。小惑星が二つもニアミスした挙げ句、そのうち一つは月に衝突するわ、木星の衛星が一つ、重力圏内に引き込まれて崩壊するわ・・・ところで君、試験の問題はもう決まってたかね?何、未だ決まってない?そうかそうか、ではあの崩壊した衛星が輪になるまでの時間を計算させる、というのもなかなか面白そうだな。よし、後期の試験問題はそれだ!しっかり勉強しておきたまえ。わかったね、K君。」