フリーソフトだけで何とかする衛星画像処理1/3


「フリーソフトだけで何とかする衛星画像処理」全3回、それでは、始まりです。

まず、今回私の作業した環境をご紹介します。

パソコン…3年ほど前に自作したもの。今の最新型に比べれば、かなり見劣りのするスペックです。
OS…WindowsXPのHome Edition
メモリ…2GB

衛星画像の加工に使用したのは「GIMP」というフリーの画像処理ソフトです。いわゆるPhotoshopの様なソフトウェアですが、そこまで高機能ではありません。10年前に発売されたPhotoshopのVer4よりは高機能かな?一般向けのPhotoshop Elementというソフトもありますが、それよりも高機能な気がします。
今回はこの「GIMP」を使用しての処理の手順を紹介しますので、お持ち出ない方は下記より入手されることをお薦めします。

GIMP for Windows

さて、JAXAからは陸域観測技術衛星「だいち」が撮影した画像をご提供いただきました。今回はパリの画像を例にご紹介していきますが、2種類の画像をご提供いただきました。

1)カラー画像用の解像度の低いAVNIR2という機器で撮影した画像(図1)
2)モノクロだけど解像度の高いPRISMという機器で撮影した画像(図2)

図1 図2

この2種類を使います。
先にネタばらしをしますが、解像度は図3を見てもわかるように、同じ場所でもこれだけ異なります。そこで、解像度の高いPRISMの画像に、AVNIR2の色情報だけを合成することにします。こうして作成された画像は
「パンシャープン画像」
と呼ばれます。

図3

さて、図1、図2で、「IMG」という言葉の付いているのが画像ファイルです。残りのファイルは付加情報のファイルですので、今回は使いません。というか、使い方を訊かれても私も答えられないんですけどね。
しかし、よくよく見てみると図2の方はモノクロ画像なので1枚だけ画像ファイルがあって…というのはわかるのですが、図1の方には4つもファイルがありますよね?実はこれらは以下のようになっているのです。

IMG-01…青一色で撮影したモノクロ画像
IMG-02…緑一色で撮影したモノクロ画像
IMG-03…赤一色で撮影したモノクロ画像
IMG-04…赤外線で撮影したモノクロ画像

何と、光の3原色+1色が、バラバラの画像ファイルになっているのです。ですから、パンシャープン画像を作るには、まず最初にカラー画像を作るところから始まなければいけません。最新版のPhotoshopを使うと、この辺はソフトが勝手に処理して自動でカラー画像にしてくれるのですが、残念ながら「GIMP」にはそのような素晴らしい機能がありません。手作業で作る必要があります。

そしてもう一つ。何と、素晴らしきPhotoshopと異なり、「GIMP」は提供された画像を直接読み込む事も出来ません。というか、いろいろ試してはみたのですが、読み込むことが出来ませんでした。
そこで!
もう一つ、別のフリーソフトを使って、「GIMP」が読み込める形式に変換します。それが「RSP」というソフトです。

リモートセンシング画像処理ソフトウェア「RSP」

インストールした「RSP」を起動すると図4の様な画面になります。このメニューの一番左端の機能を使います。まずはAVNIR2のデータから変換してみましょう。

図4

 

メニューの「ファイル」をクリックし、「フォーマット変換」を選ぶと、子ウィンドウが開きます(図5)。続いて子ウィンドウの「ALOS」を選択し、さらにその中にある「AVNIR-2」を選択します。

図5

 

すると変換するファイルを選択するダイアログが現れますので、まずは青の画像から変換してみましょう。青の画像はIMG-01ですので、これを選択します。続いて保存するファイル名を入力するのですが、わかりやすくするために、「パリ青.bmp」という名前にしてみました。これで「保存」ボタンを押すと変換が行われます。

 

図6(あ、フォルダ間違えてる…)
図7

 

同じようにIMG-02、IMG-03も変換します。今回は使わないのですが、私はIMG-04も一応変換してみました。

続いてPRISMの画像も変換しましょう。メニューの「ALOS」の中から、今度は「PRISM」を選びます。あとは「AVNIR2」と同様です。今回は「パリ高解像度.bmp」として保存しました。

図8

それぞれの画像を見てみましょう。するとどれも全てモノクロ画像であることがわかると思います。そして驚くのはそのサイズです。AVNIR2の画像は1枚あたり73MB、サイズも8726ピクセル×8610ピクセルと、7500万画素となります。そんなデジカメは市販されてないぞ!とツッコミをいれたくなるサイズです。PRISMに至っては17789ピクセル×17313ピクセルの3億画素超。ファイルも300MB。ちょっと処理するのが大変なサイズです。

しかしこれでようやく「GIMP」で読み込める形式に変換することが出来ました。第2回では、これらの画像を利用して、実際にパンシャープン画像を作成する前に、カラー合成を行います。