Day CONTACT3 in Nagoya After Report ~カーストミミズ VS キカイ人間~


旅立ち
 今日、10月13日は、「Day CONTACT3 in 名古屋」が催された。参加のため朝5時50分起床。眠い。しかし「たまにはいいだろう」ととち狂って朝7時難波発の近鉄特急「アーバンライナー」の予約を取ってしまったので仕方がない。
家を出たのが6時25分。残念ながらこの時間に野田阪神を出る電車があったのだが、行ってしまった。次は35分。まぁ、これでも間に合うからいいんだけど、発券でトラブったら終わりだな。
という不安を抱えつつ、いざ名古屋へ!ちなみにここまでのパートは地下鉄の中で書いてます。

と言ってたら切符を買ったらお金がなくなった。とても30代の財布とは思えん。取りあえずアーバンライナーはゆっくり寝て、名古屋に着いたらすぐにお金をおろして会場へ向かう。
会場最寄りの地下鉄の駅でCJ代表の大迫さんとばったり出会う。いろいろ話をしながら一緒に会場へ。すると見かけた顔がありますねぇ。うんうん、いつものメンバーだ。
「今回は議長」を覚悟して臨んだが、優先順位があって私の議長はなくなった。東京方面を優先する人事としたようだ。しかし油断は出来ないけど。

タイムテーブル
 さてちょっと話は戻るが、会場となった愛知県産業会館に集まったのは約30人。私にとってはもう4回目となるFCS(ファースト・コンタクト・シミュレーション)である。しかし今回は半分が新人らしい。

さてタイムテーブルであるが、これは以下のようであった。
10:30~ 設定作業
11:40~ 昼食
12:40~ 設定残り
15:30~ プレ・コンタクト
16:40~ コンタクト
17:20~ 発表
18:00  終了・解散
19:00~ 懇親会
というスケジュールで進行した。前回までと比べるとちょっと押し気味の設定であったことは否めない。まぁこっちもむこうも結構もめてなかなか決まらなかったからだけど。

ちなみに私はAチームで、議長は井手さん、苦力は野田令子さんが務めていた。もう一つ特筆すべき事は、AチームはDC経験者、BチームはDC未経験者でまとめられたことだろう。さてこれは吉と出るのか凶と出るのか・・・。

動機
 今回はもめた。何しろDCも3回目。シチュエーションは出きっている。もちろん今回も「移民」「学術調査」「流刑」などという定番も提案されたが、新し いのは「放浪惑星」「里帰り」という案が出たところか。「放浪惑星」はこの間放送されたNHKスペシャルが元になっていて、巨大惑星(ガスジャイアント) が3つあると、一つははじき出されるという話を思い浮かべた人が多かったようだ。
とは言え、もめたことには違いなく、「観光」だの「映画のロケ」だのという話が延々出た。一時期は「我々は宇宙サーカス団」という話で進みかけたが、「定年後の片道巡礼ツアー」という話も出た。しかもまとまらなかったので大迫さんの
「いろんな動機の人が乗り合わせてるんじゃない?」
という一言で
「じゃあ我々は民間宇宙船の乗客だ」
という話に収斂していった。つまり他の惑星系に行く初めての宇宙船。
「ミステリーツアーに参加しているのもいれば、純粋に観光したいヤツもいるし、映画のロケ隊も乗っている。カルト教団の巡礼者もいるだろう」
というわけである。さすがに放浪惑星はボツになったが。
「いいんだろうか、こんなネタで。」
そんな想いが一瞬頭をよぎったが、他に名案もないし、これで良いことにした。実はこの設定が後々相手チーム議長の頭痛のタネとなる。

メンタリティ・人数
 というわけで物見遊山的なスペースツアーが決まったわけだが、こういう初めての恒星間旅行に行くヤツは基本的に地球人と比べて好奇心が強いなのだろう。また
「お初大好き」
という設定も付け加わった。
次に人数を決めようとしたのだが、ここからが問題となった。実は先ほど目的を決めていたときに
「代々カメラマンとか、代々監督の家系があったりして」
「世襲制か~」
「代々ADってのはいやだよね~」
「カースト制だ~!」
という話があり、この「カースト制」というのがみんなの頭に刷り込まれてしまっていたのだ。しかも「客船」という設定が決まったときに「タイタニック」の話が出たのがさらに拍車を掛けていた。
「我々は貧富の差が激しい」
という意見が出た後、
「ハチみたいに上に立つ者と上には上がれない者がいる」
「遺伝的にやるのは難しいから、後天的な何かで決定されるようにしよう」
「入れ替えがあり得ない後天的カースト制度?」
「そうだけど、彼らはカーストだと思ってないんだよ。能力的にも差があるからそれが当然だと思っている。それで社会も安定している」
というところで安定した社会になるだろうという事になった。もしかしたら問題もあるかも知れないが、まぁ、細かい話はDCで気にしても仕方がないので割愛した。
では後天的に差が出来る理由を作らないと行けない。これは下の者同士でいつまでも下の層の者が生まれるという、地球におけるカースト制度の様な意見も出 たが、結果としては同じ時に生まれた兄弟の中で、最も先に親の与える餌(ローヤルゼリーか乳みたいなもの?)にありつけた者だけが上に立つ者になり、あり つけなかった他の兄弟は下の者になるという事にした。上に立つ者は知能が発達するかわりに力仕事は出来ない、下の層の者は知能は発達しないが肉体は発達す る。これで社会を支えていて、上の者は下の者の生活を守るのが当たり前、逆に下の者は上の者を支えるのが当たり前、と考えるようにした。
また社会を支えるためにはそれなりに兄弟が多くないと行けないので卵胎生とし、雌雄同体の上の者同士が子どもを作ることが出来るとした。つまり下の者は一代限りなのだ。人数はよくわからないが、上の者は1000人程度、下の者はその100倍程度と暫定的に決められた。

外見・船団
 さぁ、ここまでずいぶんともめたが、ようやく姿を設定する段階になった。またこれも一悶着あって・・・先に目的地を決める事にした。その結果、お初大好 きの我々としては全惑星い観光に訪れるのかだとうだろうと結論した。従って見つけている6つ惑星に6隻の宇宙船で行くことに。あともう1隻運搬船を連れて 行くことにし、全7隻の船団とした。
ここから姿の設定となるわけだが、
「我々の目的地ってやっぱり第2惑星なんですか?第3惑星が住みやすいってのはダメ?」
という一言が契機となった。
「つまり重力が弱いところで進化したってことなんだけど・・・」
「あ、それなら縦に細長い生物やりたい。」
「じゃあ、細長くしよう。直径10cmだったらどれくらいの長さで人間と同じくらいの体積になるのかなぁ・・・」
「5mくらいだね。」
というかたちで、直径10cm、我々は全長5mという姿であり、体の底からさらに5mほどのしっぽがあることにした、これが縦に立つときのスタンド役を果たし、移動を行い、さらには作業肢ともなるのだ。
しかしこれでは脳が発達するのかどうかがわからない。もっと太い方が良かったか?などと考えてしまった。梯子状神経という案も出たが議長権限で却下とな り、やっぱり上の者に関しては外見も異なるようにしようという案に落ち着いた。そこで上の者は直径が倍の20cm、体積を合わせるため長さは1.25mと した。これなら脳も入るだろう。それでも結構細長いぞ。
続いて目の位置。立体視が出来ないと不便だからということで2つ。下の者は縦に2つ。上の者は横に2つ。位置が異なるのはあとでヒラメやカレイのように移動するから、という理由を付けた。まぁ地球上の生物でもそういうのがいるんだから大丈夫だろう。
あと色。これは下の者は白、上の者は赤を始め、様々な色になるとした。

名称・コミュニケーション
 さて、設定の最後は我々の名前である。何となく上の者は太いので「フト」、下の者は細いので「ホソ」という名前が提案されたが、あまりにもわかりやすいということで上の者は「フト」のままだが、下の者を「シン」と呼ぶことにした。
同時にいくつかの言語体系が提案された。例えば
「上」を現すのは「フタ」、「下」は「シノ」
「タ」は「優れている」とか「短い」を意味する接頭・接尾語、逆に「ノ」は「劣る」とか「長い」を現す・・・など。
なお会話はしっぽというか作業肢による手話となった。長い作業肢がうねうねと電光掲示板のように次々と文字の形を現すのだ。
またフトは自力ではあまり遠くまで、速く移動することは出来ない。そこで通常は3体のシンに御神輿よろしく担ぎ上げられて移動する。いわゆる「騎馬戦方式」で移動することとした。
その他、基本的には同じ種族であるシンを解剖することが容易なため医学は進んでいるとか、技術の方面では力を強化するパワードスーツ的な分野は進んでいるとされた。
最後に呼称だが、自分たちのことはフトとシンの両方を合わせて「ボン」と呼ぶ。「ボン人」であるわけだが、これは1本2本という数え方から来たことは言うまでもない。ちなみに1人2人とは言わず1ボン2ボンと数える。

プレ・コンタクト
 ここからはボン人の1フトとして語ろう。我々の目的地は第2惑星。当然他の惑星に向かう船もあるのだが、重力はきついが暖かい第2惑星をあえて選んだ。 もしかしたら現住の生物なんかがいるかも知れないと期待してだ。もしそのような惑星がなさそうなら迷わず第3惑星を選んだのだが。
ところがもうあと2年で到着と言う段になって、いきなり第2惑星から人工のものと思われる電波を受信した。なんと既にそこには電波を操る生物がいるのだ!それはきっと知的生命体に違いない!しかしこの間までは電波など出ていなかったのに・・・先を越されたか?
お初大好きの我々としては惑星初乗りを逃しちょっと残念だが、しかし初めて他の知的生命体と接触できるチャンスだ。映画のロケ班はさっそく撮影の打ち合わせを始めている。まだ2年もあるというのにご苦労なことだ。
しかし取りあえず科学者が中心となる委員会が招集され、メッセージの解読が行われた。どうやらこれは素数を始め、数字や四則演算法のようだ。論理演算も送られてきた。さらに向こうは何を考えているのか彼らの辞書に相当するものをどんどん送ってくる。これは
「どうしても会いたい」
という強いメッセージであることがうかがえる。うーん、向こうは乗り気なんだ。よし、ではこちらもコンタクトをしようじゃないか。半年ほどそのような辞書を受け取った。よし、前段階として一応断った上、プローブを送ろう。
「プローブを送りました。」
すると行き違うように彼らは次に質問を送ってきた。内容は以下の通りだ。
「あなたがたは誰ですか?5光年先の星系との関係は?私たちは穏和な知的生命体です。ここに何をしに来て、どこに行く予定ですか?私たちの目的は調査し生き残ることです。」
うーん、なんだか変な文面だな。「生き残る」ってどういう意味だろう?しかしまぁ、ここで相手の心象を悪くしてもいけないので返事はしよう。
「我々はボンで穏和で知的な生命体です。その星から来ました。様々な目的の人が乗っています、例えば調査観光です。あなたがたの邪魔はしません。6つの惑星全部を回ります。」
当然質問も忘れない。
「ところであなたがたはいつからいるのですか?どこから来たのですか?どうやってきたのですか?その惑星には何ボンいますか?」
その後、プローブを送ったというメッセージに対する返事が来た。
「私たちにも敵意はありません。プローブは壊しませんが調べます。あなたがたの自然言語辞書を下さい。」
ん?辞書?向こうの言葉がわかるまでになっているのに、何で辞書がいるんだ?まぁ、でももう1年ほどで着いちゃうし、友好の印としてその場で渡すのがいいだろう。
「辞書は直接渡します。」
さぁ、あとは到着後にコンタクトを行うだけだ。正直言って重力がほぼ同じ第3惑星に行く連中がちょっとうらやましかったのだが、こういうコンタクトというおまけが付いたのであれば、第2惑星を選んだのは正解だったのかも知れない。それが証拠に第3惑星に行く連中も
「くやしくないぞ」
と言いながらも手話のはしばしにちょっと悔しさがにじんでいるように見える。

コンタクトその1
 さて、先方はコンタクト場所として第2惑星の衛星軌道上を指定してきた。第2惑星は我々にとって重力が強すぎるので願ったりだ。あとついでに
「出来れば無重力(無重量)下が望ましいが、もし人工重力を発生させる様な場合でもなるべく弱くして欲しい」
「広い場所での会見を望む」
という要望を伝えておいた。彼らの大きさは我々の3~4分の1しかなさそうなので、デッキのような所がありがたい。
こちらのコンタクトチームはフト11ボン、それを支えるシンと雑用のシンが50ボン、さらにカメラクルーのシンを3ボン連れて行くことにした。合計64 ボンであるから、結構な大人数だ。まぁしかし広いところを希望したので大丈夫だろう。当然連れて行くカメラクルーは、他の惑星に向かっている宇宙船の他、 母星にも中継することになる。こういう世紀の会見は放送しない手はない。
会見場に降り立つと先方は5個体が出迎えた。あれはフトとシンなのだろうか?どこまでがフトでどこまでがシンかはわからない。彼らの中で「全権大使」と名乗る個体が話しかけてきた。
「ようこそ、惑星キメトランへ。」
どうやらこの惑星は「キメトラン」というらしい。我々も友好の挨拶を返した後、過日の通信で約束したとおり、我々の辞書を手渡した。
このような儀式の後、早速話し合いが始まる。
「ところでどのようなご用事で?観光ほか、とありましたが・・・」
その通り。そういえばあまりにも目的が多岐に渡っているため、適当に答えていたのだ。
「その通りです。観光、映画の撮影、学術調査、移民、中には宗教的儀式としての巡礼という目的の者もおりますかな。」
どうやら相手は面食らったらしい。どうも戸惑っているようだ。
「観光とはどのように・・・」
「全ての船が全ての惑星を順番に回る予定をしております。そうですな、最初の1年でローテーションを組んでまわり、3隻はそのまま帰路に就きますが、他の3隻が映画撮影や研究のために残る予定をしております。」
相手がざわつく。何かあるのだろうか?そこでこちらから一つ提案を持ちかけてみる。
「そうだ。あなた方、我々の映画に出演しませんか?」
「は?あああ、あの、えええ映画というのは、いいい一体、どどど、どのようなものなのでしょうか?」
なにやら反応がおかしい。このようなしゃべり方は先ほどと異なるようだ。
「映画というのは、そうですな、映像芸術の一種です。まぁ娯楽的要素を多分に含んだ映像芸術ですな。」
この返答を聞いた5個体は集まって何かを始めた。
「いえ、その、今我々が行っているのは皆さんを歓迎する我々の儀式でして、決して今ここで相談しているわけではございませんで・・・」
なるほど。どうやら我々は歓迎されているらしい。カメラスタッフがその旨、注釈を加えて映像を放送している。
しばらくするとその儀式は終わった。
「そ、その映画とやらのサンプルをいただきましたら、持ち帰りまして、相談いたしまして、もし出たいという者がおりましたら・・・」
「わかりました。期待しております。」
「それでですね、移民というのは・・・?」
「ああ、我々の中にはこの星系の第3惑星に移住しようという者がおりまして。」
「第3惑星ですか?」
「ご迷惑ですかな?」
「い、いえ、第2惑星には・・・?」
「この惑星は・・・あ、キメトランでしたかな、は重力が強すぎるので移住には適さないと考えております。」
「しかし第3惑星は・・・」
「ああ、環境のことですね。心配ご無用。我々は惑星をテラフォーミングしようと考えております。」
「あ、あの、ももも、もしかして他の惑星も環境を変えようとか・・・特にそのかかか観光とかでもテラフォーミングを・・・?」
「いやいや、我々はそのままの自然を観光で見るために来ました。ですから出来る限りここの自然には手を付けない予定です。」
再びざわめく彼ら。先ほどの歓迎の行動を再び取っている。どうやら我々のこの方針は受け入れられているようだ。

コンタクトその2
 そしてさらに我々を歓迎してくれる行動をこの後連発してくれた。まずはこの話だろう。
「あなた方の母星にも観光に行ってみたいのですが、よろしいでしょうか?」
「は?ぼぼぼ母星にまでですか・・・・・・そそそ、それはちょっと持ち帰りまして皆と検討し、母星にも打診して訊いてみません事には・・・」
「いえいえ、ご迷惑でしたら無理にとは申しません。ご検討下さい。」
「は、はぁ・・・」
どうやら歓迎の行動を取っていることからもわかるように、彼らはきっと母星への観光を許可してくれるだろう。これは映画撮影にも大きな影響があるだろうし、生物とはどのような場所で進化するのかを知る大きな手がかりにもなろう。
続いてはこの話題だろうか。
「ところであなた方は皆同じ様な姿をしておられますが、フトなんですよね?それともフトとシンですか?フトだけだとするとシンはどちらに?」
「は?ふ、フトですか?し、シン?そそそ、それは一体・・・おい、辞書辞書。」
再び歓迎の行動。しかし何となくおかしい。歓迎の行動はいつも
「検討いたしまして・・・」
という言葉と対になっているはずなのが・・・?しばらくすると全権大使が語り始めた。
「フト、シンというのは・・・?」
「えー、フトはフトで、シンはシンです。」
「・・・はぁ・・・・・?」
どうやら理解してもらえていないようだ。その反応に周りの仲間が驚いている。もちろん私も驚いた。フトとシンがいるのは当然のはずなのに・・・?
そう思っていると、1ボンの仲間が別の視点から話題を切り出した。
「我々は医学が進歩しております。あなた方と技術交流をする上でもお互いに解剖用にシンを交換しませんか?」
「は?かかか解剖というのは、どどど、どのような行為を指すのでありましょうか?」
「解剖というのは個体の体を切り開いて分解し、内部構造を詳しく調べる行為でして・・・」
「ぶぶぶ、分解!?」
なにを驚いているのだろう?解剖して調べるには分解しないといけないのは当然ではないか。
再び歓迎の行動を取ろうとし始めるが、全権大使が言う。
「そそそ、それも持ち帰りまして、皆で協議しまして、その上で希望者がおりましたら・・・」
「大使、ダメです!」
なにやらもめているようだ。一体どうしたのだろう?歓迎の行動には違いなさそうだが・・・?
「えーい!俺の腕は作り物だ。持って行け!」
彼らの中の1個体がなにやら体の一部をはずして差し出した。どうやら「ウデ」というらしい。仲間達も喜ぶ。
「おお!これがウデか!」
「じゃあ、私は耳をあげます。ほら、耳ですよ。」
「おお!これがミミ!」
「やっぱり体全部はダメですか?」
「ええい!俺の体はどうせ全部機械だ!大切なところだけ外せば全部持っていってかまわん!」
「おお!なんて素晴らしい!あなた方の好意に甘えてばかりはいられません。どうぞ、シンです。3ボンほど連れて行ってください。」
「い、いえ、結構です。」
なんと我々の方のシンはいらないと言う。我々が一方的に彼らから体を提供してもらうだけになってしまった。私は思った。
「なんて心の大きな生物たちだろう。きっと彼らは彼らの星の中でもフト中のフトに違いない。」
こうしてボンのファーストコンタクトは終わった。

反省会
 実は相手は、母星での戦争に負けた側の者たちだったらしい。それが4度チャレンジして、4回とも調査隊が全滅しているこの惑星に第5次調査隊として送ら れたらしい。はっきり言って故郷の星にも未練はないし、送り出した側も「全滅したっていいや」てな感じで送り出されていたらしい。しかもたどり着いたらこ の惑星で生きていこうと母星との連絡を絶ち、そして苦労して体を改造(サイボーグ化)したりして何とか生き延びようとしていた。なんて健気な人たちだ!
ところがそこへいきなり7隻の宇宙船団!あわてまくり全滅覚悟の背水の陣で望んだコンタクト相手。辞書を送りひたすらごまをすり続け、何とか滅ぼされないようにと努力した相手・・・・・は観光客だった・・・。しかも映画に出ないかとかなんとか・・・後で聞いたが
「すっごいショックでした!」
の一言に尽きたらしい。もちろん「カルチャーショック」という意味もあれば「負けた!」と思う気持ちもあったとか。ま、シミュレーションだから勝ち負けはないんだけど・・・
さらにはサイボーグはOKでも遺伝子をいじったりするのは厳禁だったらしく、「解剖」というのはシャレにならない内容に抵触していたそうな。しかし解剖しないとサイボーグ化も出来ないよねぇ・・・?シンを受け取らなかったのも
「こんなのいらない!はやくこの生物と縁切りたい!」
という気持ちが強かったからだとか。誰かが言った。
「不幸だねぇ・・・よりにもよって観光客。DC1のヒュンヒュンとだったら仲良くやって行けたのに・・・」
まったく、この世はうまくできている。

追伸
 懇親会の後、新幹線に乗ろうと思い「みどりの窓口」へ・・・あ、あれ、閉まってる。仕方がない、券売機で・・・300円足りない!なんで朝1万円ではな く2万円下ろさなかったんだ!しかも銀行は全部閉まっている!ここは名古屋だろ?なんで駅前なのに24時間開いてる銀行がないんだ!泣く泣く交番でお金を おろせる場所を聞き、無事そのお金で切符を買ったのさ。
教訓:財布の中身はちょっと多めに。

 

機械化人側 向井淳さんのページ