北野異人館取材記


1.はじめに
 神戸の北野異人館である。大阪に住んでいるのだから神戸の異人館などいつでも行けるし、レポートを書くほどでもなかろう、と思われるだろうが、書いてしまったのだから仕方がない。しばらくおつきあいを願いたい。

2.出撃
8月4日 晴れ

神戸・三宮方面に取材に出かける。昨日急に思い立ったものだが、別に思い立ったから行くのではなく、プラネタリウムのシナリオを書いていたときに、異人 館の雰囲気がどうしても思い出せなくて困ったから、もう一度確認するのと同時に写真を撮影しておこうと思ったからである。
また以前からテレビで見て気になっていた、異人館通りあたりにある中華のお店に行ってみたいという希望もあったのは言うまでもない。しかし一人で異人館かよ・・・。さみしいものがあるな。
家を出たのはすでに11時半。もっと早く外出するつもりだったのだが、ついホームページの更新をしていて遅くなってしまった。まぁ、気になるところを次 々と見つけてしまったのだから仕方がない。それにしてもこのレポートがあがると、ますます「SF」からは遠ざかるなぁ・・・何か「SF」っぽくするコンテ ンツを開発せねば。
ついつい愚痴モードに入ってしまうが、折角晴れているし、それほど湿度も高くないので過ごしやすい日だし、たまにしか出かけないわけだから、楽しくやろう。

で、家の近所にある阪神電車野田駅から西宮行き急行に乗る。三宮まで直通では行けないらしい。まぁ、急ぎでもないし、のんびりと行けばよいだろう、と思 い途中で乗り換えることにする。海方向を見て、つまり陽が当たらないように北側の座席に座っているのだが、目の前に阪神高速の高架が見える。あ、そろそろ 甲子園か。道理で。そういや甲子園パークも閉園したんだっけ?すでに「住宅展示場」の看板が見える。さみしいものだ。
などと書いているうちに西宮到着。ここでいったん電車を降り、須磨浦公園行きの特急に乗り換える。現在12時5分。この調子で行けば12時20分頃には 三宮に到着できるかな?するとまず中華屋さんを捜していきなりお昼ご飯コースか。まぁそんなもんだろう。取材は13時頃からスタートすれば、18時までは 5時間も使える。いや、実際にはそんなに足がもたないだろうから、16時くらいには切り上げるとは思うが。すると図書館に本を借りに行くことが出来るか も。おお、なんて取材活動な一日だろうか。ライターの鏡ですな。プロじゃないけど。いや、お金もらってるからプロか。

車内の様子も、昔を思い出してみるとずいぶんと変わったものだと思う。新聞を読む人は当然いた。音楽を聴きながら本を読む人も、私が作品を書き始めた頃 にはいたが、ずっと携帯電話でメールを書いている女性とか、ましてや私のように小型端末で文章を書いている人などは考えられなかった。当時のワープロは ラップトップになった頃だったしね。あれから考えると15年。本当に世の中変わったものだと思う。15年でこの有様なのだから、100年後の未来を予想し ようなんて、鬼が笑うどころか滑稽でしかないのかもしれない。でもSF作家はいろいろと未来を考えるし、将来を予想したがるものだ。ジュブナイルやライト ノベル系は別として。そうだそうだ、折角だから、うちのホームページには「こんなのは開発できないだろう!」と大見得を切って言える変なものを準備しよ う。あの「重力ソフトレンズ」みたいに。あれなんかはっきり言って、私が考えた中で無用の長物第1号になるものだろうなぁ、という変な自信を持っている ぞ。

と、三宮到着。時刻は予想通り12時20分ちょっと前。さぁ、いざ北野異人館方面へ。まずは昼飯だ!

3.異人館めぐり
 などと書いていたにもかかわらず、北野坂への入り口のところで1300円の「パスポート」なるものを購入してしまい、しかも中華屋さんが見つからなかっ たため、そのまま先に取材をすることに。まず目指したのは「香りのオランダ館」「デンマーク館」「オーストリアの家」。「香りのオランダ館」は旧オランダ 総領事邸らしい。ライプライターだのオルゴールだののアイテムの写真を撮る。中は香水の香りで良い感じなのだが、何しろ目的が目的なので香りなんぞそっち のけで、ひたすら雰囲気がわかる写真と珍しいアイテムを撮影することしかしない。楽しみ方としてはちょっと違う気もするが、まぁ取材なのでよいだろう。
続いての2館はテーマ館。まぁ、半分はどうでもいい感じだった。一応デンマーク館の方で、昔の傘やステッキ、ヴァイキング時代の男性・女性の衣装を撮影できたので良しとしよう。オーストリアの家でも貴族の衣装を撮影できたので、これもそれで良しとする。

これだとあんまり目的を達したような気がしない。そこでさらに回ることに。続いて行ったのは旧中国領事館。いや、「うろこの家」に行くつもりが通り過ぎ てしまい、そこまで行ってしまったんだけど。ここで3500円払って「うろこの家グループ9館」を回ることの出来るチケットを購入。すでに昼ご飯のことな どどこへやら。ここから怒濤の異人館めぐりが始まったのだ。
旧中国領事館はやっぱり中国の家具が多い。こちらの欲しいイメージとはちょっと違うので、とりあえず撮影はするがパス。続いて北野外国人倶楽部(旧フ リューガ邸)。ここは結構ものの揃ったキッチンがあったり、その上にメイドさんの部屋があったりで結構面白い。外では特選入館券を買った女性がドレスを着 させてもらったりしている。結構良い感じだ。そして山手八番館(旧サンセン邸)。やたらと仏像や前衛彫刻なんかがあったりして、仏教美術展を見ているよう だ。しかも何故だか1階にも2階にもドン・キホーテとサンチョの像がある。何なんだろう、これは?
さらに「うろこの家(旧ハリヤー邸)」。ここは良いぞ!タイプライターにカメラと三脚。それにあれはテニスラケットか?うむ、良いものを見せてもらった。ついでに言うと隣の「うろこ美術館」も良い感じだった。今度はあの2館だけを回るのも良いかも。

さぁ、中盤も終わり終盤戦開始。まずは市営の「ラインの館」へ。残念ながら調度品はほとんどなし。期待はずれであった。さらに旧パナマ領事館。船の模型 がたくさんあるところはさすがに海運国パナマの領事館である。しかも入り口にあるのはシーホース像ときたもんだ。ちゃんと頭をなでてきましたよ。
残るは3館。まずは英国館(旧フセデック邸)。1階にも2階にもバーがあり、カウンターがある。良いのは裏に井戸があったりしたところか。続いて洋館長 屋(旧ボシー邸)。ここにはいろんな調度品があって、非常によい。いろいろ撮影したが、ちょっとピンボケ気味だったのは、逆光になるポジションのものが多 かったからか。しかも自分で光を放っている調度品もあるし。最後はベンの家(旧アリソン邸)。家中剥製だらけ。ホッキョクグマもいたが、あれで2.5m か・・・すごく威圧感がある。やはり身長差があると威圧感はそれだけ出てくるものだなぁ。勉強になる。
これで全て回った。途中結婚式を行っているカップルがいたりして、良い感じの一日だった。

4.その後
 その後、中華料理屋を捜してハンター通りへ。ようやく見つけるも15時まで?時計を見てみると・・・あ、回ってら。うーん、残念。今度にするか。
やむを得ずそのままうろうろし、結局のところ駅前の地下飲食街で昼食。3時間に渡って歩き続けたものだから、足が棒のようだった。
昼食後はとっとと家に戻ってしまった。まぁ、こんなもんだろう、今日のところは。
次回は「風見鶏の館」とか、西の方を回ろう。いや、もう別に資料は揃ったから行かなくても良いという噂もあるのだが。